富士山防災へ挑む!やまなし火山防災ピッチコンテストでのクローネの挑戦火山観測用 超高感度微気圧観測システムの開発
~富士山の噴火口位置の早期推定と、観測の省力化・遠隔化への挑戦~
株式会社クローネは、山梨県が主催する「やまなし火山防災イノベーションピッチコンテスト」に参画し、いつ起こるか分からない富士山の噴火に備えた次世代の火山観測システムの開発・実証実験を行いました。
本プロジェクトの成果と、私たちが目指す未来の火山防災についてご紹介します。
1. 私たちが解決した「火山観測の課題」
従来のインフラサウンド(人の耳には聞こえない超低周波の音波・微気圧変動)観測には、主に2つの大きな課題がありました。
●コストの壁: 高性能な水晶振動式気圧計は非常に高価であり、広範囲に多点配置(アレー観測)することが予算的に困難でした。
●回収の手間: 普及型の安価な気圧計は性能が不足している上、データの回収は現地に直接赴くしかなく、「省力化」が大きな課題でした。
クローネの挑戦:
従来型気圧計に対して**1/100のノイズレベル(10mPa)**を持つ高性能な新型微気圧計を開発。さらに、遠隔地から安全かつ迅速にデータを取得・管理できるシステムの構築を目指しました。
2. 実証実験のシステム構成
今回のプロジェクトでは、河口湖周辺の3つの小中学校(人の出入りが少なく、機械騒音の影響を受けにくい部屋)にご協力いただき、システムを設置しました。
3. 実証実験の成果:「海の声」を捉え、波源を推定
各観測点は、観測対象である大気脈動(海洋波浪によって発生する微細な気圧変動)を捉えるため、約2キロ間隔の三角形(アレー状)に配置しました 。
低気圧の移動を微気圧データから証明
2025年1月14日のデータ解析において、捉えた微気圧波形からシグナルの到来方向を割り出すことに成功しました。
● 気圧計の有効性を実証: 火山噴火のシグナル(数〜数十Pa)よりも遥かに微小な大気脈動シグナル(約200mPa)の波源を特定。
● 気象データとの完全一致: 割り出した到来方向(黒い矢印)は、当時の気象庁の天気図における「低気圧の位置」および「波高の高い海域」と見事に一致しました。
これにより、「大気脈動より大きなシグナルを出す火山噴火が実際に起こった際にも、確実に火口位置を特定できる」というシステムの有効性が証明されました 。
4. 今後の展望と課題
私たちは今回の成果をベースに、さらなる富士山の火山防災への貢献を目指し、以下の開発と改善を進めてまいります。
● データ一括管理の自動化: 大量のデータをサーバーへ自動送信し、一括管理できる仕組みの実装
● 衛星通信の導入: 富士山周辺など、SIM回線(LTE)が届かない圏外エリアでの観測網構築
● 装置の小型化・デザイン改良: 公共施設や避難所など、様々な場所にスマートに設置できるプラスチックケースの改良
● 停電・災害対策: 公共施設の点検停電時でも観測を止めない、バッテリーの併設
● AIアラームの模索: 世界中の様々な火山噴火波形データを集め、噴火特有の波形を検知した瞬間に自動警告(アラーム)を出すシステムの構築
お問い合わせ
株式会社クローネでは、地震・津波・火山観測をはじめとする地球物理学観測センサーの開発・販売・システム構築を行っています 。
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