計測機器や各種センサの原理・使い方を徹底解説

4-20mA出力搭載の工業用温度センサは?【おすすめ製品を紹介】

2025.05.26

温度管理は、製造業やプラント管理など様々な現場で非常に重要な要素です。その中で、信頼性の高いアナログ信号として「4-20mA出力」に対応した温度センサを利用するケースも少なくありません。今回は、4-20mA出力の特徴や温度センサで利用するメリット、そして具体的な製品例としてitalcoppie(イタルコッピエ)製の温度センサをご紹介します。

 

4-20mA出力の特徴は?温度センサで利用するメリットは?

4-20mA出力は、計装用機器の標準的なアナログ出力信号の一つです。具体的には、センサが測定した値の範囲(例えば0℃~100℃)を、4mAから20mAの電流範囲に比例させて出力する方式のことです。この信号方式を温度センサで利用することには、いくつかの大きなメリットがあります。

第一に、電流信号は電圧信号に比べてノイズの影響を受けにくいという特性があります。工場などの産業現場では様々な機器から電気的なノイズが発生しやすいですが、4-20mA信号はそのような環境下でも安定したデータ伝送が可能です。たとえば、0-10Vの電圧信号回路に10Vのノイズが乗ると信号に大きな影響が出ますが、4-20mAの電流信号回路では、同様のノイズ電圧が乗っても、受信側の変換器抵抗が大きいためノイズ電流は微小となり、測定上の問題になりにくいのです。

第二に、長距離の伝送でも信号が減衰しにくいことが挙げられます。電流は水の流量のように、伝送距離が長くなっても基本的には減衰しません。数百メートルといった長距離でも、測定値を正確に伝送できるため、広大な敷地を持つ工場やプラント、離れた場所にある設備の温度監視に適しています。

第三に、断線時の異常検知が容易であるというフェイルセーフ性も大きなメリットです。4-20mA信号では、測定値が0%の場合でも4mAの電流を出力します。もしケーブルが断線してしまった場合は電流値が0mAになるため、監視システム側で「信号が来ていない=断線している」と明確に判断できます。これにより、トラブル発生時の迅速な対応につながります。

4-20mA出力は、その信頼性の高さから多くの温度センサや計測システムで採用されています。

 

4-20mA出力「italcoppie製」の温度センサ

4-20mAのおすすめ温度センサとしてitalcoppie(イタルコッピエ)の製品をご紹介します。

イタリアのセンサメーカーであるitalcoppie社は、高精度で信頼性の高い4-20mA出力対応の温度センサを豊富にラインナップしています。特にトランスミッタ一体型やコンパクトな設計などの特徴があり、さまざまな設置環境やアプリケーションに対応可能です。

italcoppieのセンサの特徴として、多くの製品でトランスミッタ(信号変換器)がセンサヘッド部分に内蔵または一体化されている点が挙げられます。これにより、従来はセンサとは別に設置スペースが必要だったトランスミッタが不要になり、装置の小型化や設置工数の削減に貢献します。たとえば「EVOXIシリーズ」は、トランスミッタ部が親指大ほどと非常にコンパクトで、IP67の保護構造を持ち、M12コネクタで簡単に接続できます。
また、Pt100測温抵抗体のような高精度なセンサ素子と高性能なトランスミッタを組み合わせることで、正確な温度測定と安定した4-20mA信号出力を実現しています。

EVOXIシリーズをはじめとした、各種シリーズの特徴を以下にまとめました。

|トランスミッタ一体型 温度センサ

  • EVOXIシリーズ: トランスミッタ内蔵型の絶縁Pt100センサです。コンパクトなオーバーモールド成形で、一般的な産業用途に適しています。工場出荷時の設定は0~150℃ですが、-50~500℃の範囲で設定変更が可能です。
  • EVOXTPシリーズ: ねじ込み式のPt100センサで、主に110℃までの流体温度計測に適しています。
  • EVOXFシリーズ: 特に食品・化学・製薬業界向けのPt100センサです。φ4.4mmにテーパーを付けたφ6mmのプローブを備えています。
  • EVOXTMシリーズ: ねじ込み式Pt100センサで、120℃までの流体計測に対応します。

|トランスミッタ接続 温度センサ

  • TRMSTDシリーズ: M12コネクタ接続の4線式Pt100温度センサです。
  • RCシリーズ: M12コネクタ接続の4線式、ねじ込み式のPt100温度センサです。
  • EVOXCシリーズ: TRMSTDシリーズ及びTRCシリーズに接続することで、PT100温度センサを4-20mAに変換する信号変換器です。

 

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4-20mA出力の温度センサを選定する際には、測定対象や環境、必要な精度など、考慮すべき点が多くあります。そのため、どのセンサが自社のアプリケーションに最適か判断に迷うこともあるでしょう。そのような場合は、センサの専門知識を持つ企業に相談することをおすすめします。

測定器の専門メーカーである株式会社クローネは、お客様の課題やニーズを丁寧にヒアリングし、italcoppie製をはじめとする国内外の多様なメーカーの製品の中から、最適な4-20mA出力温度センサや関連機器を提案可能です。

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