計測機器や各種センサの原理・使い方を徹底解説

超音波流量計とは?動作原理とおすすめ商品を解説

2024.11.12

代表的な流量計の種類の1つとして、超音波流量計があります。超音波流量計は、手軽に利用でき多用途に使えることからさまざまな産業分野で活躍しています。今回は、超音波流量計の動作原理やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

 

超音波流量計とは?原理は?

超音波流量計とは、配管内を流れる流体(液体や気体)の速度や量を非接触で測定する装置です。従来の流量計のように流路に物理的な障害物を設置する必要がなく、圧力損失や配管の摩耗が発生しないため、メンテナンスが少なく済むという利点があります。

超音波流量計の動作原理として、「伝搬時間差方式」と「ドップラー効果方式」の2種類があります。

伝搬時間差方式とは、配管を流れる流体に対して斜めに超音波を送信し、上流から下流へ、またその逆に伝わる超音波の伝搬時間の差を測定して流速を計算する方法です。流れがあると、上流方向に進む超音波の伝搬速度が遅くなり、下流方向に進む超音波の伝搬速度が速くなります。この時間差から流速を求められます。

ドップラー効果方式とは、流体中のごみや気泡などの粒子に超音波を当てて、その反射波の周波数の変化を測定する方法です。音源が観測者に近づくと音の周波数が高くなり、遠ざかると周波数が低くなるドップラー効果を利用することで流速を測定しています。濁った液体や気泡を含む液体の流量計測に適しており、きれいな液体の測定が難しい場合にも有効です。ただし、測定精度は伝搬時間差方式に比べて劣ることがあります。

 

超音波流量計のメリット・デメリット

超音波流量計のメリットとして、以下4つのことが挙げられます。

  • 配管内の障害物とならない:超音波流量計は、配管の外側に取り付けるタイプ(クランプオン型)が多く、配管内部に機器を挿入する必要がありません。そのため、圧力損失がゼロに抑えられます。加えて、流路を変更する必要がないため、既存の設備に導入する際も簡単に設置できます。
  • 幅広い用途に対応できる:超音波流量計は、液体だけでなく気体や蒸気の流量測定にも対応できる製品があります。また、非接触での測定が可能なため、衛生面が重要視される食品・飲料業界や化学工場でも利用しやすいです。
  • 応答速度が速い:超音波流量計は流量変化に対して瞬時に反応するため、リアルタイムで流量を管理する必要があるプロセスには最適です。
  • メンテナンスが少なくてすむ:配管の外側に取り付けるため、機械的な摩耗が発生せず、清掃や交換の頻度を減らせます。また、非接触で測定するため、流体に触れることがないため腐食などによる劣化も少なく、長期間にわたって安定した測定が可能です。

一方で、以下4つのデメリットが挙げられます。

  • 気泡やごみに弱い:流体中に大量の気泡や大きな固形物が存在すると、音波の伝播が妨げられます。これにより、伝搬時間差方式では測定精度が低下し、正確な流量の把握が難しくなることがあります。
  • 直管部が必要となる:超音波流量計を設置する際には、一定の長さがある直管部に設置する必要があります。曲がりや分岐がある配管部分では、流れが乱れてしまい、正確な測定が難しくなるからです。
  • 流体特性への依存:測定精度は流体の性質に影響を受けることがあります。特に、温度が非常に高い、または低い場合や、粘度が異常に高い流体では、音波の伝播速度が変わるため、超音波流量計の測定精度に影響を与えることがあります。
  • 初期コストが高い:超音波流量計は、機器自体のコストが他の流量計に比べて高い場合があります。

 

超音波流量計のおすすめはSoundWater製流量計

SoundWater Technologies社が開発した「Orcas」シリーズは、次世代のワイヤレス超音波流量計として多くの業界で注目されています。スマートフォンやタブレットを使ったBluetoothによる無線接続に対応し、従来の流量計に比べて操作が簡単で、リアルタイムで測定データを確認できます。

主な特徴として、以下6つのことが挙げられます。

  • 簡単に設置できる:Orcasシリーズはクランプオン型の超音波流量計で、既存の配管に外部から取り付けるだけで使用できます。工具は不要で、マウンティングストラップを使って配管に固定するだけのシンプルな設置方法です。
  • 幅広い配管サイズに対応できる:Orcasは、3/4インチ(約19mm)から36インチ(約914mm)までの配管サイズに対応しています。また、鉄、ステンレス、プラスチック(PVC、PE、FRPなど)、アルミニウム、銅、真鍮など、多岐にわたる配管材質に対応できます。
  • 測定精度が優れている:Orcasは伝搬時間差方式を採用しており、流量測定において高精度を実現します。複数の測定経路(パス)を持つマルチパス方式のモデルもあり、測定精度をさらに向上させることも可能です。
  • 持ち運びやすさと耐久性が優れている:Orcasは軽量設計で持ち運びが簡単です。現場での移動や異なる配管での使用にも柔軟に対応できるため、点検作業やトラブルシューティングなどの場面で特に便利です。また、IP65の防塵防水性能を備えているため、屋外の過酷な環境でも安心して使用できます。
  • 優れた操作性:Orcasは、専用アプリを介したスマートフォン操作で簡単に操作できます。Bluetooth経由で無線接続することで、約5m離れた場所から遠隔で測定データを確認できます。
  • 多用途で利用できる:Orcasは、工場のユーティリティー管理や水処理施設での流量測定、さらには環境モニタリングや災害対策における水位測定にも活用されています。また、オイル&ガス業界や化学工場でも、流体の種類にかかわらず正確な測定ができるため、プロセス制御の一環として使用されています。

SoundWater製Orcasシリーズの詳細はこちら

 

まとめ

超音波流量計を選択する際には、信頼性と使い勝手の点が特に重要になります。株式会社クローネが販売するSoundWater製の超音波流量計は、数多くの利用実績を持つ信頼性の高い流量計の一つです。汎用的に利用できる超音波流量計をお求めの方は、ぜひ株式会社クローネまでお問い合わせください。

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