計測機器や各種センサの原理・使い方を徹底解説

ガスセンサの種類と主な用途・おすすめのガスセンサを紹介

2022.10.14

ガスセンサとは、さまざまな種類の機体を検知・識別するセンサです。有毒ガスや爆発性ガスの検知や、ガス濃度の測定に使用されるほか、環境変化を定常的に測定する目的でも使用されます。今回は、主なガスセンサとその用途、おすすめのガスセンサについて紹介していきます。

 

主なガスセンサとその用途

ここからは、以下5つのガスセンサとその用途について、紹介していきます。

  • SO2(二酸化硫黄)センサ
  • O2(酸素)センサ
  • LEL(可燃性ガス)センサ
  • H2S(硫化水素)センサ
  • CO2(二酸化炭素)センサ

 

|SO2(二酸化硫黄)センサ

SO2センサとは、二酸化硫黄の濃度を計測するためのセンサです。

二酸化硫黄(SO2)は、強い臭いのある無色の気体で、可燃性こそありませんが、非常に有毒なガスとされています。二酸化硫黄を吸い込んでしまうと、鼻や喉に炎症が起こり、さらに高濃度の二酸化硫黄によって、吐き気、嘔吐、腹痛、気道や肺の腐食性障害を引き起こすこともあるからです。

二酸化硫黄は、産業用や商業用のエネルギー生成や熱生成などのシステムや、船舶や一般車両から発生するほか、火山活動によって自然に発生することもあります。

SO2センサの代表的な活用事例として、環境汚染の度合いの測定や、発電所や焼却炉から出される汚染ガスの排出量の測定などがあります。

 

|O2(酸素)センサ

O2センサとは、酸素の濃度を計測するためのセンサです。

酸素濃度は動植物の生命活動に不可欠で、産業分野でもその濃度測定が重要となる場面があります。

O2センサの活用事例の1つに土壌呼吸の調査があります。酸素センサと二酸化炭素センサを組み合わせて、土壌呼吸の特徴を把握できるからです。飲食の分野では、ビールの製造工程で溶存酸素を測定するのにO2センサを用いる事例があります。それ以外には、医療分野において細胞単位で酸素を接種できているかを調べたり、海洋生物の呼吸の状態を測定したりする際にも使われています。

 

|LEL(可燃性ガス)センサ

LELセンサとは、可燃性ガスを計測するためのセンサです。

爆発性の気体である可燃性ガスは、その存在や濃度を知らせることが安全上重要となる場面が多数あります。

LELセンサの活用事例として、石油・ガス精製所、化学工場、工業生産施設など、可燃性ガスや溶剤が貯蔵されたり、プロセスで使用されたりする場所での使用が挙げられます。

 

|H2S(硫化水素)センサ

H2Sセンサとは、硫化水素の濃度を測定するためのセンサです。

硫化水素は、腐った卵に似た臭いのする無色のガスで、石油やガスの作業者にとって非常に危険なものとされています。H2Sは非常に引火性が高いため、掘削、精製、輸送に携わる作業員に多大なリスクをもたらします。そのため、H2Sセンサは作業者の安全を確保する意味でも必要不可欠のセンサです。

H2Sセンサの使用例として、硫化水素をはじめとするさまざまな有害ガスが存在する石油化学プラントがあります。H2Sセンサを密閉された場所に設置することで、メンテナンス作業員に危険なガスの存在を知らせられるのです。また、下水道や衛生設備がある場所にも設置することで、火災や爆発を引き起こす可能性のある硫化水素の濃度を監視できます。他には、硫化水素が漏れ出し、広い範囲で作業者に危険を及ぼす可能性がある掘削作業の現場での使用例もあります。

 

|CO2(二酸化炭素)センサ

CO2センサは、二酸化炭素の濃度を計測するためのセンサです。

CO2センサの用途の1つとして、教室、オフィス、体育館、福祉施設などの空気品質の評価があります。室内の換気が行き届いていなかったり、室内にいる人数が多かったりすると、二酸化炭素の濃度が上がってしまい、生産性や集中力を低下させる原因になるからです。

他には、ライフサイエンスの分野で細胞培養器内のCO2レベルを監視・検出するために使用されたり、航空宇宙分野で乗組員の生産性、乗客の快適性、安全性などを確保するために、機内の状況や空気の質をモニターするために利用されたりするケースもあります。

 

Honeywell製のガスセンサiシリーズの特徴

株式会社クローネでは、Honeywell(ハネウェル)の高機能でコンパクトな形状のガスセンサiシリーズを販売しています。iシリーズには、以下9つの特徴があります。

  • デジタルインターフェース:汎用非同期レシーバ/ トランスミッタプロトコルを採用。チップセレクトオプションによる通信で、複数のセンサとインターフェースで接続します。
  • 交換可能:同シリーズのインテリジェントセンサはすべて同サイズ、かつ同じ通信プロトコルを使用しているため、センサの交換が可能です。電源電圧は、3.1V~3.3Vの範囲となります。
  • デジタルトレーサビリティ:センサには、シリアル番号、製造日、対応ガス種などのデータが含まれているため、センサの識別を迅速かつ簡単にできます。
  • OEMロック機能:各センサには、二段階のロックコードが設定されていて、最初のコードは、製造時にプログラミングされたOEM固有のもので、変更することはできません。このコードは、各OEM先から提供されます。
  • 校正済みセンサ:各センサは、製造時に校正され、そのデータはセンサに書き込まれています。センサは、機器からの指令信号に応じて、ガス濃度を算出します。
  • 再校正時期のお知らせ:センサ精度が低下することで、信頼性のある正確な測定ができなくなる時期を事前に予測できます。
  • 交換時期のお知らせ:センサ感度が低下することで、信頼性のある正確な測定ができなくなる時期を事前に予測できます。
  • 故障の検知:高機能なセンサは、オープンサーキットセンシング、高インピーダンス電極、参照電極のドリフトおよび故障、範囲外の電解質濃度、対電極の故障などといった機器内部の故障を検知できます。
  • コンパクトな形状:従来のセンサと比べ、高さが半分のコンパクトなサイズを実現。対象とするガスのセンサ面へのアクセスを容易にする設計です。

加えて、iシリーズは、欧州防爆規格(ATEX)および国際標準防爆規格(IECEx)の認証(EN IEC 60079-0およびEN IEC 60079-11)を取得しています。また、BS EN 45544-1、BS EN 50104、ANSI/ISA 92.00.01、ANSI / ISA 92.04.01、AS/NZS 4641をはじめとする様々な性能基準を満たした設計となっています。

Honeywell製のガスセンサの詳細はこちら

 

まとめ

株式会社クローネでは、デジタル出力のHoneywellのiシリーズ以外にも、アナログ出力のガスセンサをさまざまご用意しています。ガスセンサの選定でお困りの方は、ぜひクローネまでご一報ください。センサのプロがユーザーにとって最適なご提案をいたします。
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