環境センサとは?10種類のセンサと用途を解説
温度、湿度、空気、水などに関わる環境指標をモニタリングして分析することは、環境の保護・保全に役立ち、最終的には生命と財産の安全を確保することにもつながります。そうした環境の質や変化を把握するのに役立つのが環境センサです。環境センサは、IoTの分野でも活躍する重要な部品でもあります。
目次
環境センサとは
環境センサとは、水や空気、土壌の状態を定量的に把握するために用いられる装置です。環境センサによって測定された情報は、検査、記録、保存などの目的でも利用可能です。また、センサと通信機器を使うことで、現地にいなくても遠隔地から状況を把握できるようにもなります。
環境センサの種類
環境センサは、測定する対象によってさまざまな種類に分けられますが、ここでは10種類のセンサを紹介していきます。
■温度・湿度センサ
水や空気等の温度や湿度を計測するためのセンサです。環境中の温度や湿度は、農業生産、家畜産業、工業製品の製造など、さまざまな分野に影響を与えます。
たとえば、農業生産においてはビニールハウス内の温度と湿度を一定範囲に保たなければ、安定した生産量や品質を実現できません。工業製品の製造においては、決められた温度・湿度範囲で製品を作らないと、製品のバラつきを抑制できなくなります。
株式会社クローネでは、乾燥空気や非腐食性ガスなどの測定に適したタッチスクリーンディスプレイ式の温度センサをご用意しています。
■風速・風向センサ
風速と風向を計測するためのセンサです。風速と風向は、気象情報で用いられる他、航空宇宙分野や自動車分野でも重要な指標となってきます。
たとえば、風速と風向から気象変化を解析することで正確な気象予報が可能です。また、風速や風向から空力解析をすることで、飛行機やレーシングカーの動作・挙動解析も可能になります。
株式会社クローネでは、最大流速53m/s(192km/h)まで計測できる風量計をご用意しています。風速データを様々なグラフィックで表示することも可能です。
■CO2センサ
大気中の炭酸ガス(CO2)の濃度を測定するためのセンサです。CO2は無色無臭・透明の気体のため目視ではその濃度を推定できません。センサを用いることでppmの単位でCO2の濃度を計測できるようになります。
CO2は、地球温暖化の原因にもなる気体として知られていますが、住宅、オフィス、会議室などの身近な場所でも影響を与える気体です。たとえば、CO2濃度が高くなると、仕事の生産性を下げたり、頭痛やめまいなど健康上のトラブルを引き起こしたりすることが知られています。
株式会社クローネでは、住宅、オフィス、会議室等で手軽に使えるCO2センサをご用意しています。
RCD 010 THDシリーズ
温度・湿度・CO2トランスミッター
RCD 010 THDは、二酸化炭素(CO₂)・湿度(rH)・温度(T)の実測値をカラーLCDディスプレイに表示します。
また、それぞれのパラメーターごとにアナログ信号(0-10V)を出力できるため、DDC/PLCコントローラー、BAS、BMS、BEMSなどに接続することも可能です。
空調や換気、クリーンルーム、住宅、オフィス、ホテル、技術室、会議室、コンベンションセンターなどの環境測定に最適です。
■PM2.5センサ
PM2.5の濃度を測定するセンサです。PM2.5は、過剰に吸い込むと肺疾患の原因にもなる浮遊微粒子の1つです。屋内外のPM2.5濃度を正しく計測して、濃度を一定以下に保つことは、このような健康被害を予防することにつながります。
株式会社クローネのPM2.5センサなら、空気中のPM2.5にレーザーを照射し、その散乱光の時間変化を解析して空気中の単位体積あたりのPM2.5を計測できます。0~1,000μg/m3の濃度範囲の中でPM2.5をリアルタイムで検出可能です。
>>Honeywell製 PM2.5センサ(パーティクルセンサ)
■ガスセンサ
ガスには、二酸化炭素以外にも、酸素、二酸化硫黄、硫化硫黄、アンモニア、オゾン、排気ガス、可燃性ガスなどありますが、ガスセンサを用いるとこれらの気体ごとに濃度を計測できるようになります。
たとえば、工場や製造施設でのガス漏れ検知や、家庭での煙や一酸化炭素の検知などで使用されるものもガスセンサです。可燃性ガスのセンサなど爆発の危険があるところで用いる場合は、防爆規格に対応したセンサを用います。
株式会社クローネでは、デジタル出力からアナログ出力まで幅広く対応でき、さまざまな種類の気体を測定できるガスセンサを用意しています。
>>Honeywell (City Technology) 製 ガスセンサ
■濁度センサ
濁度センサは、水中の浮遊物質によって散乱される光の量を測定するセンサです。濁度センサは、河川、水路、廃水や排水などの不純物の測定などに使用されています。
濁度は、人間も含めた生態系にとって水がどのくらい健全かを示すのに重要な指標です。たとえば、濁度を測定することで、魚の生存率や繁殖率に影響する水中酸素濃度の低下や、増加した粒子によってエラが詰まる可能性などを推定できます。
■水質センサ
濁度以外にも水質を測る指標があります。たとえば、PH、残留塩素、硬度、導電率、溶存酸素などです。飲料水処理では残留塩素センサ、養殖業では溶存酸素センサ、下水処理ではpHセンサや導電率センサなどが用いられます。
■放射線センサ
放射線には、粒子線や電磁波などの電離放射線と、可視光線や紫外線など非電離放射線があります。これらのセンサの中には日常の生活と密着しているものも少なくありません。
たとえば、日射量を計測できる日射センサによって、天然ガスや電気などのエネルギー使用量を予測できますし、農業では植物の収穫量を予測できます。ほかには紫外線の強弱を測定できる紫外線センサによって、動物や植物の生育に影響を確認することもできるでしょう。
■感雨センサ
感雨センサは、降水や降雪の量を検知するためのセンサです。升に雨を溜めて計測するタイプから、光学タイプや静電容量タイプなどがあります。単に降雨量や降雪量を測るだけでなく、雨や雪に含まれる塩分をモニターできるものや、鉄塔や電線、風車への着雪や着氷を検知するものもあります。
■土壌センサ
土壌センサは、土壌の温度、水分、電気伝導度、窒素、リン、カリウム、pHなど、農作物の成長に影響のある因子を測定するために使用されます。土壌センサを用いることで、経験的な手法ではなく科学的な手法に基づいた農業展開を実現できるようになります。
まとめ
環境センサには、ここであげた以外にさまざまなタイプのセンサがあります。いずれも水や空気の状態を正しく把握するために使われるもので、工業分野や農業分野を中心に多くのセンサが活用されています。株式会社クローネもさまざまな環境センサを取り扱っているので、環境センサにお困りの方は、ぜひ株式会社クローネまでお問合せください。