計測機器や各種センサの原理・使い方を徹底解説

デジタル圧力計の原理・使い方を徹底解説【おすすめの圧力計は?】

「デジタル圧力計について、もっと知りたい」
「デジタル圧力計を選びたいけど、どうやって選べばよいかわからない!」

このような方に向けて、デジタル圧力計原理、選定する際のポイントなどを解説していきます。

 

デジタル圧力計の原理

圧力計
デジタル圧力計は、一般的にダイアフラムと呼ばれる受圧素子によって圧力を計測しています。流体から受ける圧力が、ダイアフラムを変形させ、その変形量によって圧力がわかるのです。ダイアフラムによる圧力の測定方法には、大きく半導体歪ゲ-ジ式と静電容量式があります。

半導体歪ゲ-ジ式とは、電気変換素子により、ダイアフラムの歪みを検知し、圧力を測定する方法です。半導体歪ゲージの設置方法によって、バルク型半導体歪ゲ-ジ・蒸着(薄膜)型半導体歪ゲ-ジ・拡散型半導体歪ゲ-ジなどがあります。
静電容量式とは、ダイアフラムの反対側に電極を設置し、ダイアフラムの変位を静電容量として測る方法です。静電容量式の場合、ダイアフラムの素材には、金属、セラミック、シリコンなどが使われます。

 

デジタル圧力計を選ぶときのポイント

圧力計のポイント

デジタル圧力計を選ぶときに、主に確認しておくべきことは以下の4点です。

  • 圧力レンジ
  • 電源駆動
  • 接続ネジ
  • 接続部の材料(測定対象物)

それぞれ詳細を見ていきましょう。

■圧力レンジ

圧力レンジには、10Pa程度の小さな圧力を上限とするものから、100MPaを超える大きな圧力を上限とするものまで、様々な範囲があります。
測定する圧力レンジに対して圧力計のレンジが小さいと、圧力を正しく計測できないですし、逆に測定する圧力レンジに対して圧力計のレンジが大きすぎると、機器の測定誤差が大きくなってしまうので、適切なレンジを選択する必要があります。

一般的には、想定される圧力の2倍くらいをレンジの目安にします。例えば、0.3MPaくらいの圧力を計測するのであれば、0.6MPaがレンジの最大値の目安になります。
圧力レンジを考える際には、液体や気体が流れていないときの圧力「静圧」に比べて、液体や気体が流れているときの圧力「流動圧」は小さくなることにも注意が必要です。

 

■電源駆動

デジタル圧力計は、動作させるのに電源を必要とします。電源の種類は大きく分けて電池駆動、外部電源駆動、電源アダプタがあります。
電池駆動とは、圧力計に電池を入れて動かすタイプです。設置の制約を受けにくいメリットがありますが、定期的に電池交換が必要になるというデメリットがあります。

外部電源駆動とは、外付けの電源をコネクタで圧力計と接続するタイプです。継続的に電源供給できるメリットがありますが、電源を設置する場所の制約を受けてしまいます。
電源アダプタとは、コンセントと接続して電源を供給するタイプです。電源供給が途切れない反面、設置場所の制約を最も受けるタイプになります。

 

■接続ネジ

圧力計は、ほとんどが雄ネジです。圧力計のネジの中には一般的に2つの種類と4つのサイズが使われます。
圧力計に使われるネジの種類:G(PF=平行ネジ)、R(PT=テーパーネジ)
圧力計に使われるネジの大きさ:1/8、1/4、3/8、1/2 (単位はインチです)

平行ねじの場合、圧力計と接続相手物をパッキンで接続してシールします。一方で、テーパーネジの場合はシールテープによってシールします。

 

■接続部の材料(測定対象物)

圧力計の接液部材質には、黄銅やSUS316などが使われます。選定を間違えると、接続部が腐食するなどの問題も起きるので、測定する液体・気体に適した材質を選ぶようにしましょう。

 

デジタル圧力計の使い方・注意点

圧力計を見る人

デジタル圧力計を使うときは、液体・気体の圧力を測定したい箇所からなるべく近い位置に圧力計を接続するようにします。測定したい箇所から圧力計の位置を離してしまうと、配管内の圧力損失などによって、本来計測したい圧力に比べて誤差を生じてしまう可能性があるからです。

また、圧力計を設置する設備では配管が入り組んでいることも多く、圧力計の表示が見えにくい位置に設置してしまったり、圧力計が手に届きにくくメンテナンスしにくい位置に設置してしまったりすることもあります。圧力計を取り付ける際には、使用時やメンテンナンス時のことも考慮に入れて、場所を決めるようにしましょう。

 

クローネのデジタル圧力計の特徴

クローネの圧力計には、以下のような特徴があります。

 

「入り組んだ実験設備でも表示が見やすい!」フレキシブルディスプレイ

クローネの圧力計は、表示部の回転と本体の首振り角度を各最大330°にしたフレキシブルディスプレイ機構を採用しています。圧力計が使われる実験設備は、配管が入り組んでいるところも多くありますが、圧力計の表示部を見やすい角度に調整できるので、施工者が設置位置を考える負担や、使用者が圧力表示を確認するときの負担を軽減できます。

 

「気体も液体もOK!」耐腐食性の高いSUS316L

クローネのデジタル圧力計には、耐腐食性の高いSUS316Lを採用しているため、気体及び液体の両測定媒体に対応しています。弱塩酸系の液にも対応可能で、タイヤ圧や荷重、ポンプ・コンプレッサー、油圧機器、容器内圧測定等、様々なアプリケーションの圧力管理や制御にご使用可能です。

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