計測機器や各種センサの原理・使い方を徹底解説

デジタル圧力計の選び方とおすすめの商品紹介

デジタル圧力計には、測定対象物や用途によってさまざまな種類が使い分けられています。今回は、「用途にあったデジタル圧力計を選定したい」という方に向けて、デジタル圧力計の選び方とおすすめのデジタル圧力計を紹介していきます。

 

デジタル圧力計とは?

デジタル圧力計とは、圧力を測定し、デジタルディスプレイに数値を表示する電子機器のことです。一般的には、気体や液体に生じる圧力をダイアフラムと呼ばれる受圧素子によって計測していて、圧力がダイアフラムを変形させるときの変形量によって圧力がわかる仕組みになっています。デジタル圧力計は、アナログに比べて高精度、読み取りが容易、データの転送や記録が便利などの特徴があり、工業用途や自動車、航空宇宙、医療機器などの分野で幅広く使用されています。

 

デジタル圧力計の選び方

デジタル圧力計を選ぶときには、主に以下のようなスペックを確認する必要があります。

  • 圧力範囲
  • 精度
  • 耐環境性能
  • 駆動電源

|圧力測定範囲

デジタル圧力計にはさまざまな測定範囲があるので、使用目的に応じて適切な測定範囲を持つ製品を選ぶことが重要です。圧力測定範囲としては、10Pa程度の小さな圧力を上限とするものから、100MPa以上の大きな圧力を上限とするものまでさまざまです。一般的には、想定される圧力の2倍くらいをレンジの目安にします。たとえば、0.3MPaくらいの圧力を計測するのであれば、0.6MPaがレンジの最大値の目安になります。

 

|精度

用途によっては測定精度の高さも重要になります。精度は0.25%程度のものから、0.025%程度のものまでさまざまで、機器の校正のような高い精度が要求される場面では、より精度の高いものを選ぶ必要があります。

 

|耐環境性能

使用環境に応じて、防塵・防水性能、耐衝撃性、耐薬品性などが求められます。たとえば、半導体産業用のデジタル圧力計では、感圧部に耐久性・安定性に実績のある半導体歪ゲージを使用することで、信頼性の高い計測を実現しています。

 

|駆動電源

デジタル圧力計の電源には、電池駆動、外部電源駆動、電源アダプタなどがあります。

  • 電池駆動とは、圧力計に電池を入れて動かすタイプです。設置の制約を受けにくいことがメリットですが、定期的に電池交換が必要になるデメリットがあります。
  • 外部電源駆動とは、外付けの電源をコネクタで圧力計と接続するタイプです。継続的に電源供給できることがメリットですが、電源を設置する場所の制約を受けてしまいます。
  • 電源アダプタとは、コンセントと接続して電源を供給するタイプです。電源供給が途切れない反面、設置場所の制約を最も受けるタイプになります。

 

デジタル圧力計のおすすめ商品を紹介

ここからは、おすすめのデジタル圧力計を3シリーズご紹介します。

 

|クローネ製「KDM30」

クローネ製「KDM30」は、高精度でユーザーフレンドリーな設計思想を取り入れたデジタル圧力計です。表示部および本体部首振りには330度回転できるフレキシブルディスプレイ機構を新たに開発し、従来の圧力計の概念を超えた機能とデザインを追求しました(フレキシブルディスプレイはクローネオリジナルの特許技術です)。フレキシブルディスプレイ機構を採用することで、表示部を見やすい方向や角度に調整でき、作業者が圧力計を見る際の姿勢を選びません。また、無線オプションを選択すれば、圧力測定をしている場所まで行かずとも、管理室等のパソコンで測定値をモニタリングすることもできます。

測定できる圧力は「ゲージ圧」「絶対圧」「連成圧」の3タイプ、13種類の幅広い圧力レンジから使用用途に合わせた圧力レンジを選択できます。

また、 接ガス部/接液部の材質には耐腐食性の高いSUS316L採用しています。気体及び液体の両測定媒体に対応しているため、さまざまなアプリケーションの圧力管理や制御に使用可能です。

クローネ製「KDM30」

|SIKA製高精度デジタル圧力計「Type D2シリーズ」「Type C2シリーズ」「Type L-EXシリーズ」

Type D2シリーズ、Type C2シリーズ、Type L-EXシリーズは、ドイツのSIKA社が設計・製造している電池駆動タイプのデジタル圧力計です。測定レンジは幅広く、ゲージ圧・連成圧での測定が可能なため、さまざまなアプリケーションに対応します。さらに見やすい大型液晶表示で使い易く、電池駆動タイプのため持ち運びに便利です。 接液部の材質は耐食性に優れたSUS316Lを使用しているため、媒体を選びません。

標準タイプのType D2シリーズは、±0.1%の精度であるのに対して、Type C2シリーズは±0.05%とより高精度の圧力計になっています。Type L-EXシリーズは、防爆性能を持っているので、爆発性の高い気体や液体を取り扱う危険な場所での使用に適しています。

SIKA製高精度デジタル圧力計

|PDK製「PDR1000」

PDR1000は、韓国の計測機器メーカーPDK開発・製造する多機能デジタル圧力計で、現場校正における基準圧力計としても使用されています。PDR1000の特長は、操作が簡単、耐久性のある外装、広い測定範囲、高い精度、視認性の良い5桁ディスプレイ、10種類の圧力単位の切り替えが容易などさまざまです。また、RS232通信やアナログ出力に対応しているほか、圧力比較器やハンドポンプと組み合わせて、現場や校正室で簡単に圧力測定や校正を実施できるようになっています。

PDK製「PDR1000」

 

デジタル圧力計の一般的な使い方

デジタル圧力計を使って圧力を測る際には、圧力計を測定対象物となる流体が流れる配管にネジで接続するだけでOKです。ただし、測定したい箇所から圧力計の位置を離してしまうと、配管内の圧力損失などによって圧力の誤差を生じる可能性があるので、測定したいポイントからなるべく近い位置に設置しましょう。また、流体は静止しているときと流れているときで圧力が異なるので、どの状態での圧力が必要になるのかをあらかじめ確認しておきましょう。設置場所を決める際には、圧力計の取り付けだけでなく、読み取りやメンテナンスまで考慮に入れておくことも重要です。

 

まとめ

デジタル圧力計のタイプはさまざまですが、この記事で取り上げた3種類のデジタル圧力計はいずれも汎用的に使えるものなので、まずはこの3種類の中から検討してみてはいかがでしょうか。より詳細な製品情報を知りたい方は、計測機器のプロ「株式会社クローネ」までぜひお問い合わせください。専門のスタッフがすぐにお客様のご要望を伺い、最適なご提案をいたします。

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