既存の計測器を無線化する方法【IoTの実現】

計測器の無線化は、業務の効率化や安全性の向上に大きく貢献する一方で、導入にはさまざまな課題もあります。今回は、無線化の主な目的、無線化の課題、無線化の導入事例について詳しく解説していきます。
目次
計測器を無線化する主な目的
計測器を無線化する目的として、以下4つのことが挙げられます。
- 24時間監視:無線化により、計測データをリアルタイムで取得・監視することが可能になります。これにより、人員の配置が不要となり、常時監視を実現可能です。特に、設備や環境の異常を迅速に検知し、対応できる仕組みを構築できます。
- 危険エリアでの計測:高所や有害環境、災害現場といった危険なエリアでの計測を無線化することで、人が立ち入るリスクを回避できます。遠隔で安全にデータ取得が可能となり、作業者の安全性が向上します。
- 情報の一元管理:各計測器のデータをクラウドやネットワークを通じて集約し、一元的に管理することで、効率的なデータ分析やトラブルシューティングが可能になります。過去のデータの参照や全体状況の即時把握も容易になります。
- 遠隔地のデータ取得:アクセスが困難な遠隔地でのデータ取得が無線化により実現できます。現場への訪問回数を減らし、移動コストや作業負担を軽減するとともに、リアルタイムでデータを活用できます。
計測器を無線化する際の課題
計測器を無線化することは多くのメリットをもたらしますが、実現にはいくつかの課題があります。
- システム構築の難しさ:無線化を自前で進める場合、システム構築に関する知識が必要不可欠です。計測器に無線デバイスを取り付けるだけではなく、データを受信するためのソフトウェアや、クラウドと連携するインフラの整備が必要になります。
- 通信環境の制約:無線化においては、通信環境が大きな課題となる場合があります。たとえば、建物の壁や機械設備など、物理的な障害物が無線信号を遮る可能性があります。広範囲にデータを送信する場合は距離的な制約もあります。工場や現場では、多くの機械が稼働しており、これらが発するノイズが無線通信に干渉するリスクもあるでしょう。
- 電源供給の課題:多くの無線化デバイスはバッテリー駆動のため、長時間の使用にはバッテリー寿命が問題となります。特に、遠隔地や高所で使用される機器では頻繁な電池交換が難しい場合があります。
計測器を無線化した実績
計測器を無線化した実績として、以下のような事例があります。
- 山中の水処理装置の水圧測定:山中に設置された水処理装置の水圧測定を無線化することで、これまで現場に行かなければ得られなかったデータをリアルタイムで取得できるようになりました。遠隔地ではアクセスが難しく、作業員が頻繁に訪問することが困難ですが、無線化により解決できています。
- 薬品タンク内の温度計測:薬品が保管されるタンク内部の温度測定は、環境的なリスクが伴う作業です。無線化により、人が危険なエリアに立ち入らずともデータを収集可能になりました。特に、タンク内の温度変動をリアルタイムでモニタリングすることで、薬品の品質維持が確実に行えるようになり、安全性も向上しています。
- 油圧ジャッキの無線化:大型設備や構造物の設置時に使用される油圧ジャッキの圧力状況を無線化することで、現場作業が劇的に効率化されました。従来は各ジャッキの圧力を個別に確認する必要がありましたが、無線化により遠隔地から一括でモニタリングが可能になったのです。
- 工場のガスボンベ残量監視:工場では、多くの場所でガスボンベが使用されており、残量の管理は重要な業務です。無線化を導入することで、上階や遠隔地に配置されたボンベの残量を一元的に把握できるようになりました。
- ため池の遠隔水位監視:農業用のため池では、降水量や蒸発量に応じて水位の管理が求められます。無線化により、これまでは現場でのみ確認できた水位データを遠隔でモニタリング可能になりました。
まとめ:計測器の無線化ならクローネにお問い合わせください
ここまで解説してきたように、計測器の無線化には、さまざまなメリットがある一方で、課題もあります。
クローネが提供する「アナログ無線変換器 KAWシリーズ」は、計測器の無線化に伴う各種課題を効果的に解消できる無線変換器です。KAWシリーズは、既存のアナログ計測器にも簡単に接続できるため、無線用に新たな計測機器を導入する必要がありません。また、無線データはパソコンやクラウド上で管理でき、リアルタイムでのデータ閲覧や一元管理が可能です。
さらに、低消費電力設計や中継機を活用した通信距離の延長機能を備えているので、多様な環境で使用できるほか、遠隔地や障害物の多い環境でも安定した通信が実現します。電池駆動タイプなら完全なワイヤレス化を可能にし、ケーブルが使用できないエリアでも対応可能です。
計測器の無線化をお考えの方は、ぜひ株式会社クローネまでお問い合わせください。