デジタル圧力計とアナログ圧力計の違い

圧力計は、産業分野や医療分野、建設・設備、航空宇宙、環境・気象、研究・実験分野で幅広く利用される重要な計測器です。圧力計には針式のアナログ圧力計とデジタル圧力計がに分類されます。今回は、アナログ圧力計とデジタル圧力計の違いについて解説していきます。
目次
主な圧力計の種類
圧力計には「アナログ圧力計」と「デジタル圧力計」の2種類があり、それぞれに特有の利点と欠点があります。ここでは、それぞれの仕組みや特徴について詳しく解説します。
|アナログ圧力計(ブルドン管式)
アナログ圧力計は、圧力を機械的な動作のみで測定するものです。アナログ圧力計として代表的なのがブルドン管式です。ブルドン管式圧力計は、金属製のブルドン管に圧力が加わるとその機械的な変形が針の動きに変換されて圧力値を示します。アナログ圧力計には、以下のようなメリットがあります。
- 電源不要で長期間使用可能:アナログ圧力計の大きな利点は、電池や外部電源を必要としない点です。そのため、停電時や電池切れを気にせず、安心して使用できます。
- 耐久性が高い:構造がシンプルで衝撃や振動に強く、電気的なトラブルが起きないので、過酷な作業環境でも性能が安定しています。振動が多い工場や屋外の建設現場など、厳しい条件下での使用に最適です。
- コストパフォーマンスが良い:価格が手頃で、初期投資を抑えられるのも特徴です。特に大量に導入する際や、簡易な測定が求められる場面で適しています。
|デジタル圧力計
デジタル圧力計は、圧力を電気信号に変換し、ディスプレイに数値として表示します。これにより、簡単かつ正確に圧力値を確認できる点が特徴です。デジタル圧力計には、以下のようなメリットがあります。
- 数値表示が明確:デジタル圧力計では、圧力が明確な数字で表示されるため、誰が見ても同じ値を確認できます。そのため、読み取りのミスを大幅に減らせます。
- 追加機能が豊富:デジタル圧力計には、データ保存や転送、アラーム機能などが搭載されているものがあります。たとえば、測定値をリアルタイムで記録し、後で詳細な分析を行うことも可能です。また、BluetoothやUSB接続を通じてPCやスマートフォンと連携できる製品も増えています。
- 視認性が高い:暗い場所での作業に便利なバックライト付きディスプレイを備えたモデルもあります。これにより、夜間作業や暗所での使用に適しています。
アナログ圧力計とデジタル圧力計の違い
ここでは、アナログ圧力計とデジタル圧力計の違いを以下6つの観点から詳しく解説していきます。
|機能面での違い
アナログ圧力計は、基本的な圧力測定機能に特化しているため、高度な制御や記録ができる機能はありません。
一方、デジタル圧力計は、アナログ圧力計にはない多機能性が特徴です。たとえば、圧力のピーク値を記録する「ピークホールド機能」や、設定した範囲を超えた場合に通知する「アラーム機能」を搭載した製品があります。また、測定単位の変更や、最大・最小値の保存機能など、用途に合わせた柔軟な使い方が可能です。
|価格面での違い
アナログ圧力計はそのシンプルな構造と製造コストの低さから、価格が比較的安価です。初期費用を抑えたい場合や、単純な測定目的には適しています。
一方で、デジタル圧力計は、多機能性や高精度を実現するため、アナログ圧力計よりも価格が高い場合が多いです。ただし、これらの機能が業務効率やデータ管理を向上させることを考慮すると、長期的にはコストパフォーマンスが高くなることもあるでしょう。
|精度の違い
アナログ圧力計は目盛りを目視で読む必要があるため、読み取り時に誤差が生じる可能性があります。また、微細な圧力変化の観測には不向きです。
一方、デジタル圧力計は、数値で直接表示されるため、読み取り精度が非常に高いのが特徴です。さらに、小数点以下まで詳細に圧力を把握できる製品も多く、細かな圧力変化を記録するのに適しています。
|用途の違い
アナログ圧力計は、耐久性に優れているため、厳しい環境条件下での使用に向いています。たとえば、屋外の過酷な作業環境や、振動が多い現場、電源の確保が難しい場所での利用などです。
デジタル圧力計は、高精度が求められる実験室や、データ記録が必須の産業プロセスで活躍します。また、測定結果を即座に保存したり、他のデバイスに転送したりする必要がある場合にも有用です。
|IoTとの親和性の違い
デジタル圧力計は、近年のIoT化の流れに適した機能を備えています。たとえば、BluetoothやWi-Fiなどの無線通信機能を搭載した製品であれば、遠隔地からリアルタイムで圧力を監視することが可能です。
一方、アナログ圧力計は、そのままではIoT対応が難しいのが現実です。ただし、変換器を追加することで、IoTシステムに組み込むことも不可能ではありません。
|制御の違い
デジタル圧力計は、プロセス制御システムと連携することで、圧力の自動管理や監視が可能です。たとえば、設定した圧力範囲を維持するように機械を制御するなら、デジタル圧力計が必須となります。
アナログ圧力計は、主に手動で監視や管理を行うため、連続的な自動制御には向いていません。
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「KDM30-α シリーズ」の主な特長
- フレキシブルディスプレイ機構:表示部を330°まで自由に調整可能なため、どのような設置環境でも見やすい位置に配置できます。
- 優れた防塵・防滴性能:IP65準拠の防塵・防滴性能を備えているので、水滴や埃が多い現場でも安心して使用できます。
- 多様な圧力レンジ:ゲージ圧、絶対圧、連成圧の3タイプに対応し、13種類の圧力レンジから選択できます。
- 充実したデータ管理機能:RS232C出力に加え、オプションでBluetoothや近距離無線通信に対応しており、測定データをリアルタイムでパソコンやタブレットに転送できます。
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