高温の測り方とは?熱電対・測温抵抗体の違いからデータロギングまで徹底解説

製造現場で「高温を正確に測りたい」と思ったとき、よくあるお悩みが「どのセンサを選び、どう記録すればよいのか」です。
今回は、高温の測り方の基本から、熱電対と測温抵抗体の使い分け、そしてデータロガーによる自動記録(データロギング)までを一気通貫で解説します。
目次
そもそも「高温」とは?測定範囲の目安と現場での悩み

「高温」と一口に言っても範囲は現場ごとに違います。一般的な工業用途では100℃超を「高温」、500℃以上を「中高温」などと区別する場合もあります。
代表的な温度帯を見てみましょう。※あくまで代表例です。
• 食品工場の殺菌工程:120℃前後
• 化学プラントの反応槽:200〜400℃
• 樹脂成形機のシリンダ温度:150〜300℃
• 金属の熱処理・焼結炉:800〜1,200℃
温度帯が変わればセンサに求められる性能も変わっています。
高温の測り方は大きく2種類【接触式と非接触式】

高温の測定方法は、大別すると「接触式」と「非接触式」の2種類に分かれます。それぞれ得意な場面が異なるため、用途に応じた使い分けが重要です。
|接触式(熱電対・測温抵抗体)
センサを対象に直接接触させて測る方法で、工場や研究現場の連続監視・自動記録で主流の方式です。代表は熱電対と測温抵抗体です。
|非接触式(放射温度計・サーモグラフィ)
対象から放射される赤外線をとらえる方式で、回転体や動くものの表面温度測定に有利です。ただし対象表面の放射率に値が左右されやすく、連続記録や精密制御の用途には接触式が選ばれるのが一般的です。
熱電対と測温抵抗体の違いは?

接触式の代表である熱電対と測温抵抗体は、原理も得意な温度域も異なります。どちらを選ぶかで現場の運用が大きく変わるため、まずはそれぞれの特徴を理解しましょう。
|熱電対の特徴と適した用途
熱電対は、異種金属の接点に温度差が生じると起電力が発生する「ゼーベック効果」を利用したセンサです。発生電圧から温度を換算します。金属の温度差で生まれる電気を、温度の物差しに変えるイメージです。熱電対のメリットは、広い温度範囲・速い応答・極細プローブ対応・低コストな点です。一方で精度は測温抵抗体に劣り、補償導線も必要です。金属熱処理炉やボイラー、焼却炉など「高温+多少の誤差は許容」の現場で多用されます。
|測温抵抗体(Pt100)の特徴と適した用途
測温抵抗体は、白金などの金属が「温度上昇に伴い電気抵抗が増す」性質を利用したセンサです。代表的なPt100は0℃で100Ωの抵抗値を持ちます。測定範囲は-200〜500℃が一般的(高精度モデルで〜650℃)で、熱電対ほどの高温には対応しません。そのため食品工場の殺菌工程、医薬品GMP、化学プラントの精密温度制御、HEMSなど、「中温域+高精度+長期安定」が求められる現場で重宝されます。
測定後はどうする?データロガー・データロギングの基礎

センサを選んで測れるようになっても、それで終わりではありません。「いつ・どの温度だったか」を残し、活用するまでが温度測定のゴールです。ここで欠かせないのがデータロガーとデータロギングです。
データロガーとは、センサ信号を任意の周期で自動記録・保存する装置です。1秒ごとや1分ごとに温度を蓄積し、CSVなどに出力できます。紙チャートや手書きと比べたメリットは明確です。
• 24時間365日の連続記録が可能
• 転記ミスなどヒューマンエラーを排除
• CSV・グラフ出力で監査資料の作成が容易
• HACCP・GMP・ISO9001のトレーサビリティに対応
熱電対を用いたデータロギングは、超低温から超高温まで幅広い温度範囲を自動記録できるのが強みです。
イタリアitalcoppie社EVOXIシリーズ

高温測定×データロギングを実現するクローネのおすすめ製品が「EVOXIシリーズ」です。EVOXIは、Pt100測温抵抗体と4-20mA出力トランスミッタを一本化した親指大のコンパクト温度センサです。IP67の防水性能で過酷な現場環境にも対応します。
- センサ素子:Pt100測温抵抗体
- 測定範囲:-50〜500℃(工場出荷時は0〜150℃、変更可能)
- 出力:4-20mA(長距離伝送・断線検知)
- 精度:±0.1K ±0.1% of span(@25℃)
- プローブ長/径:100〜1,000mm/φ3mm・φ6mmから選択可
- 保護等級:IP67
EVOXIが選ばれる5つの理由
- 装置の小型化と設置工数の削減:トランスミッタが一体化されているため、別置きの変換器スペースや配線が不要になります。
- フェイルセーフ性:4-20mA出力なので、断線時は0mAになり「信号が来ない=異常」と即時判定できます。
- 高精度な温度測定:Pt100素子と高性能トランスミッタの組み合わせで、安定した4-20mA信号を出力します。
- 長距離伝送に強い:電流出力タイプのため、約300mまでの長距離配線でも信号劣化が起こりにくい設計です。
- 設定の柔軟性:別売のEVOPLATFORM SETを使えば、PC上で計測範囲の変更や精度調整が可能です。
EVOXIの4-20mA出力は、クローネ取扱いのデータロガーや無線変換器(KAW・KGWシリーズなど)と直接組み合わせ可能です。CSV保存・グラフ化・遠隔監視・クラウド連携までを一つの動線で実現できます。
まとめ:高温の測り方は「センサ+出力+記録」をセットで考える

高温の測り方を考えるときに大切なのは、次の3点です。
• 測りたい温度範囲によって最適なセンサが変わる
• 熱電対は広範囲・高温に強く、測温抵抗体は中温域の高精度に強い
• 測定後のデータロギング・出力設計まで含めて全体最適を考える
クローネが輸入販売するEVOXIシリーズは、この「センサ+出力+記録」の悩みを一体で解決する選択肢です。コンパクトな一体型設計、4-20mAのフェイルセーフ性、Pt100の高精度を兼ね備え、データロガー・無線変換との組み合わせでIoT化までスムーズに実現できます。
「自社の用途や温度範囲に合う構成がわからない」という方は、ぜひ一度クローネにご相談ください。専門スタッフが現場条件に合わせた最適なセンサ・ロガー構成をご提案します。選定段階からプロに相談することが、導入後の運用トラブルを防ぐ近道です。














