計測機器や各種センサの原理・使い方を徹底解説

コンプレッサーや配管のエア漏れ検知に最適なリークディテクター

設備や配管を流れる液体や気体の漏れを検知するのがリークディテクターです。リークディテクターには、さまざまなタイプがある中で、工場のコンプレッサーや配管のエア漏れを測定するのによく使われるのが、超音波リークディテクターです。今回は、超音波リークディテクターの詳細と、活用事例、おすすめの超音波リークディテクターについて解説していきます。

 

超音波リークディテクターとは?動作原理とメリット

超音波リークディテクターとは、リーク箇所で発生する超音波を検知することで、エア漏れが起きている場所を特定するための機器です。圧縮空気を生み出す加圧システムなどでエア漏れが発生すると、リーク箇所の近辺で乱流が起こり、その乱流は超音波を含む高周波成分の多いノイズを発生させます。このような音は人間の耳では感知できませんが、超音波リークディテクターを使うことで、超音波の発生箇所、すなわちリーク箇所を識別して場所を特定できるようになるのです。

超音波リークディテクターによるエア漏れの検知には、大きく2つのメリットがあります。

1つめのメリットは、正しく検知をすることでエネルギーコストの削減につなげられることです。超音波検出によって特定された微小な漏れを修復することで、配管内に流れる空気のロスを軽減し、コンプレッサー側で余分な動力を使わず済むようになります。

もう1つのメリットは、ある程度離れた場所からでも検知可能なことです。配管のエア漏れは検査対象範囲が広いうえに、ガス自体が無色透明であることも多いので、肉眼での検出は困難になります。離れた距離からでも検知できる超音波リークディテクターなら、検出困難なエア漏れをより簡単に特定できるようになります。このことは、配管メンテナンスのコスト削減にもつながりますし、危険なガス漏れを安全に測定できることにもつながるメリットです。

超音波リークディテクターは、極微小な漏れ量になると精密に測定できないというデメリットはありますが、工場内の圧縮空気の漏れを検知するには十分な精度を有しています。そのため、高い省エネ性が要求される工場や、配管が複雑で広範囲に敷設されている工場、危険なガスを使用している工場などで活躍しています。

 

コンプレッサーのエア漏れの改善で得られる効果

コンプレッサーのエア漏れを改善できると、どのくらいの効果があるのでしょうか?一般財団法人省エネルギーセンターが空気配管の漏れ防止による省エネ効果の事例が参考となるでしょう。

事例では、空気配管に沿って超音波リークディテクターを用いて漏れ箇所を探し、全漏れ量を算出することで、定格流量に対する漏れ率を計算しています。特に漏れやすい箇所として、配管、弁、ゴムホースの接合部、電磁弁などが挙げられています。

画像出典:「工場省エネエネルギーガイドブック」一般財団法人省エネルギーセンター

主な試算条件は、以下のとおりです。

■試算条件

  • コンプレッサー容量:37kW(インバータ制御)
  • モータ負荷率:80%
  • 運転時間:20時間/日×300日/年=6,000時間/年
  • 漏れ率(現状):20%(実測値)
  • 漏れ率(改善後):4%(80%の漏れを防止できた場合)
  • 現状と改善後の動力比:0.84(漏れが減ることで、風量・動力が減少する)

試算によると、現状の電力使用量が177,600kW/年に対して、改善後は149,200kW/年と、16%の削減に成功し、削減金額は54万円/年となっています(1kWhあたりの電気料金が19円の場合)。この試算では37kWのコンプレッサーを用いていますが、コンプレッサーの容量が50kW、100kWと大きなものを使用するケースも少なくなく、その場合は電気料金のロスがさらに大きくなることでしょう。

 

エア漏れ検知には「リークディテクター LD500シリーズ」がおすすめ

「リークディテクター LD500」は、工場配管からのエア漏れを見つけるのに最適なセンサです。検知した情報は即座に手元のモニタ画面に表示されるようになっています。また、USB ケーブルや SDカードによってパソコンにデータ取り込むことも、ヘッドセットの使用によってエア漏れの音を確認することも可能です。

リークディテクターLD500の機能

  • リーク量と損失金額をモニタで確認できる
  • 遠く離れた場所からでもエア漏れを検知できる(通常時最大6m、パラボリックミラー使用時最大12m先の情報を検知)
  • 漏れのある場所を撮影できる
  • 無充電のままほぼ1日稼働できる(バッテリー寿命9時間)
  • USBによりパソコンにデータを取り込める
  • 感度を環境に自動的に適応させ、バックグラウンドノイズを除去できる

「リークディテクターLD500」は、圧縮空気、蒸気、ガスなどのリークを検知できます。(絶縁体、変圧器、高圧線上の部分放電により発生する超音波なども測定可能です)。人間の耳には聞こえない超音波がLD500によって増幅され、可聴周波数帯域に混合されるので、騒音のある環境でもヘッドホンとカメラ画像を通して、超音波発生源である圧縮空気の漏れを正確に特定できます。

工場内で発生する音は、可聴域も含め30kHz以下に集約しています。「LD500」はエア漏れが発生する約40kHzの周波数を検知するよう設計されているので、工場内のエア配管の漏れを測定するのに最適です。

「LD500」には、ヘッドセット、トランペットホーン、フォーカスチューブなど、リークテストに便利な装備を標準セットしています。

また、長距離測定用のパラボリックミラーや、ダイレクトに漏れ箇所を確認可能なグースネックをオプションで用意しています。

>>「リークディテクターLD500」の詳細を見る

 

エア漏れを検知してコストを削減しよう

工場のコンプレッサーから供給される圧縮空気が配管から漏れてしまうと、コンプレッサーに余分な負荷がかかり、電気料金のロスにつながってしまいます。そのエア漏れを簡単に特定できるのが超音波リークディテクターです。株式会社クローネが販売する「リークディテクター LD500シリーズ」は、エア漏れの測定だけでなく、データ取り込みや管理も手軽で、オプション機能をつけることで遠く離れた場所からの測定も可能になります。超音波リークディテクターについてさらに詳しく知りたい方は、株式会社クローネまでご一報ください。専門のスタッフがお客様に最適なご提案をいたします。

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