計測機器や各種センサの原理・使い方を徹底解説

湿度校正器とは?湿度発生器のおすすめ製品を紹介

2023.01.23

測定器は使っているうちに少しずつ測定誤差が大きくなっていくものです。そこで、重要となるのが、測定器が仕様どおりに動作できているかを確認するのが校正です。今回は、湿度センサの誤差を補正するための校正について詳しく解説していきます。

 

湿度校正とは?校正の重要性

製品の結露、腐食、カビ、反り、腐敗などを防ぐ必要がある場所では、湿度の管理が非常に重要です。たとえば、食品、医薬品、燃料、木材などを製造・販売する業界や、ビニールハウス、博物館、美術館、データセンターなどでも湿度の監視と測定が重要になります。このような場所で活躍するのが湿度センサで、その正しさを補正するのが湿度センサの校正です。

 

湿度の校正方法・原理

湿度の校正にはさまざまな方法があります。ここでは代表的な2つを紹介します。

  • 湿度の基準センサを使用して校正する
  • 湿度発生器を利用する

|温度・湿度の基準センサを使用する

湿度センサの校正を行う最も簡単な方法は、すでに校正されている基準となるセンサを使用することです。温度と湿度が一定に保たれる場所を選び、校正したいセンサと基準センサを同じ場所に置き、湿度が安定した後にセンサの値を比較します。

 

|湿度発生器を利用する

もう1つが湿度発生器を利用する方法です。湿度発生器では飽和塩法という方法を用いて一定の湿度を発生させます。飽和塩法とは「塩を飽和状態まで溶かした飽和塩水を密閉容器に入れると、決まった湿度を作れる」という原理のことです。たとえば塩化ナトリウムには、25℃の密閉容器内で75.3%の湿度を生み出す性質があります。塩化カリウムの場合は、25℃の密閉容器内で84.2%の湿度を生み出す性質があります。このように塩溶液には、それぞれ決まった湿度を生み出せる性質があるので、その性質を利用して湿度計の校正するのです。飽和塩法を使って複数の湿度で湿度センサの値と校正器の値を比較すれば、より正確な校正を行えるようになります。

 

現場での校正におすすめなのはFensor社の湿度発生器

手軽に持ち運びできて現場で簡単に校正をするなら、Fensor社の湿度発生器をおすすめします。

Fensor社は、フランスに本社がある分析用の科学機器の設計、製造、販売をしている会社です。湿度関連の計測器や測定の分野で長年活躍してきたチームを中心に2014年に設立されました。Fensor社のポータブル湿度校正器は、測定器に関する欧州指令2014/32 / EUに適合した確かな品質の商品です。

そのFensor社の代表的な商品が、さまざまなメーカーの湿度センサ、プローブ、ロガー等の相対湿度の校正を簡単かつ迅速に実現できるHG-101です。

飽和塩法による湿度発生方法の場合、目的の湿度に達するまでに時間や手間がかかります。一方で独自の特許技術であるRDSAシステムを採用し、再利用可能な乾燥剤と蒸留水を消費して動作するHG-101だと、約30秒で目標の湿度に到達できます。湿度の発生範囲は5~95 %RH、精度は±2%RHで、発生させる湿度の安定性に優れていることに加えて、シリカゲルの消費をおさえて長く利用できることも特長の1つです。

HG-101には、標準のプローブポートに直径10~24mmまでのプローブに対応可能な7つのポートがあり、ほとんどのタイプの機器に適合できるようになっています。湿度センサをポートに挿入したら、パネルに取り付けられたスイッチ、またはUSBインターフェースを通じてソフトウェアで必要な湿度を設定するだけで校正が可能となります。7つのポートは同時に使えるので、7つの湿度センサを同時に校正することも可能です。

液体の水タンクを使用しないので電子回路に水がかかる心配もありません。現場で使用する際にも特別な準備は必要なく、DRYとWETのカートリッジをセットさせて電源をONにするだけで校正を開始できます。電源はUSBポートに接続された5ボルトのバッテリーで10時間以上の動作が可能です。そのため、さまざまな場所に持ち運んで手軽に利用できるようになっています。

USBケーブルをスマートフォンに接続すると、スマートフォンのアプリ上で湿度の設定や湿度の確認ができるようになります。アプリの画面は簡単にキャプチャできるので、報告書に結果を添付するときのも便利です。

HG-101にはプローブ用のポートだけを備えたもの(以下写真の左)とは別に、ユーザー自身でプローブ専用チャンバーからデータロガーとプローブ併用のチャンバーに簡単に変更できるタイプ(以下写真の右)もあります。

チャンバーを備えたタイプなら、チャンバー内にLCD付きの湿度計や湿度データロガーを設置して校正が可能になります。チャンバー用のウインドウが透明なので、表示器付きの湿度計であれば湿度変化も確認できます。

>>Fensor製の湿度校正器はこちら

 

まとめ

湿度校正の原理自体はシンプルですが、実際の現場において便利で手軽に湿度校正をしようとするなら、適切な湿度発生器を選ぶ必要があります。株式会社クローネが販売するFensor社の湿度発生器は、コンパクトで持ち運びが簡単で、独自の技術により短時間での校正可能な湿度校正器として活用できます。湿度校正が可能な機器をお探しの方は、ぜひ株式会社クローネまでお問い合わせください。ご要望にあわせて最適な湿度校正の手段をご提案いたします。

>>株式会社クローネへのお問い合わせはこちら

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